それが鷹の道

soretaka.exblog.jp
ブログトップ
2007年 11月 02日

「空気を読む」より大事な事

野球には、時として物議を醸し出す場面があるものです。
例えば、昨日のドラゴンズの投手交代劇なんかもそうです。
8回までパーフェクトで投げていた山井を
落合監督はスパッと交代させ、9回は岩瀬が登板。
史上初の日本シリーズでの完全試合は、消えてしまいました。
もっとも、岩瀬も9回表を3人で抑えたので、
継投によるパーフェクトは達成されましたが…

野球ファンの見方は十人十色です。
ファンの数だけ意見があると言っても、過言ではありません。
だから、この落合監督の投手交代にも様々な意見がある事でしょう。

私は日頃このブログを書く時、人にはいろんな考え方があるのだから、
自分と意見が合わない声や、気に食わない声を聞いた時でも、
なるべく批判的な事は書かないようにしてきたつもりです。
(あくまでも「基本的には」ですが(苦笑))
しかし今日は、
「ちょっとこれは何も言わずにはおれない」ような
腹立たしい意見を聞いてしまったので、書いてしまいます。

サンケイスポーツサイトにあったコメントです。

 ◆漫画家のやくみつる氏の話
   つまらないことしますよね、本当に。怒りを覚えるというよりは苦笑いする感じ。
   こちらは九回二死から田中幸が代打で出てくる、とか劇的な構図を思い浮かべていたのに。
   あらゆる状況を考えての交代ということ、この試合で決めたいという気持ちは分かるが、
   空気を読めよと思う。
   今シーズン最も空気の読めない采配(さいはい)だった

このコメントを目にした時の私の感想を、正直に言いますと…
「何言ってるの? この人は」

そりゃ、残念な投手交代だったという声があるのは、十分にわかります。
完全試合達成で日本一決定!という、滅多にない場面を見るチャンスだったわけですし。
それが無くなった事に対する残念な思いや怒りを覚える人がいるのもわかります。
その意味で、落合監督の判断に対する批判の声もあるでしょう。

ですが、このやく氏のコメントは、私にはとても受け入れられるものではありません。
何が腹立たしいって、「空気が読めていない」という理由で、落合采配を完全否定するような
物言いをしているからです。
ドラゴンズファンではない私ですが、一野球ファンとして怒りを覚えます。

あの場面…53年ぶりの日本一を決めるという場面だったのです。
しかも、長い間待ち続けた名古屋のドラゴンズファンの目の前で。
完全試合という偉大な記録達成の場面も、ファンが喜ぶ事には違いありませんが、
この日本一決定の瞬間を地元で見せるという、これ以上のファンサービスがあるでしょうか?
落合監督は、その為により確実と信じた手を取ったのです。
チームの勝利の為には、非情に徹しなければならない時がある。
その究極の場面だったのです。
だから、「残念」という声はあっても、過剰に非難されるような判断ではなかったと思います。

まして、やく氏のこのコメントは、見当違いもいいとこだと思います。
仮にあのまま山井が投げていて、9回2アウトまでパーフェクトを続けていたとしましょう。
絶体絶命の局面に追い込まれたファイターズが、
そこで代打に現役引退寸前の田中幸雄を出すと思います?
田中幸雄には非常に失礼な言い方になりますが、それより先に出す代打がいたでしょう。
だから、どちらにしろ、やく氏の言う「劇的な構図」はなかったのです。

日本一を懸けて必死で両チームが戦っていたのです。
それは「劇的な場面」の為でも、「空気を読む」為でもないのです。
(もちろん、結果的に「劇的な場面」ができ上がる事はありますが)
ただひたすらに勝つ為に、情けを捨てねばならない事だってあるのです。
落合監督だって、本当は投手交代なんかさせたくなかったと思います。
でも、あの場面の判断は交代で間違いなかったと思います。

「プロ野球は夢を売ってなんぼ」なのは確かです。
だけど、勝つ事がファンの最大の夢であるならば、
その為に別の夢を捨てなければならない事もある。
時としてそういう現実があるという事も、
野球ファンは受け入れなければならないと思うのです。

「週刊ベースボール」でずっと野球4コマ漫画を描いているやく氏だけに、
もうちょっと野球の見方を知っている人かなと思ってましたが、
はっきり言ってこのコメントにはガッカリしました…
賛否両論あって当たり前の問題ではありますが、
やく氏のコメントは、ただ単に落合監督を批判したいだけに聞こえてなりません。
「叩きたいから叩く」というのは、無しにしましょうよ…

「空気を読むより大事な事が、勝負の世界にはある」
私はそう思っています。

by takanomichi | 2007-11-02 23:20 | プロ野球一般


<< ストーブが俄かに温まってきました…      小説でも書けない劇的日本一! >>